定年後に派遣社員として働く

定年後も働きたいという希望を持っている場合、派遣社員として働くのも選択肢のひとつです。

派遣社員として働くには、人材派遣会社に登録する必要がありますが、最近はシニア派遣に力を入れている派遣会社や、高齢者専門の派遣会社なども増えてきました。

定年を迎え第一線から退いてしまうと、正社員として再就職をするのは困難を極めますが、派遣社員として働く場合はさほど敷居は高くありません。

派遣社員として働く場合の最も大きなメリットは、職種や勤務時間、勤務地などを自由に選べることです。正社員の場合は、勤務地や部署の移動があったり、職種の変更があっても会社側の意向に従わざるを得ませんが、派遣社員の場合は、自分で選ぶことができます。

時給は1,000円以上の場合が多く、一般にアルバイトやパートより高めです。さらに何らかの専門知識や資格を必要とする業務の場合は、時給1,500円から2,000円前後に設定されていることもめずらしくはありません。

また、派遣法によると、同一の派遣先の事業所で3年を超えて派遣社員として働くことはできないことになっていますが、60歳以上の場合は、派遣社員として働ける期間の制限はなく、定年もありません。
さらに、同じ職場で5年以上継続して働く場合は、正社員として直接雇用の申し入れをすることもできます。

勤務日数に応じて、有給休暇の取得や社会保険の加入も可能になるほか、さまざまな福利厚生サービスを受けられるのも派遣社員として働く上での大きなメリットです。

派遣社員は、正社員に比べて職種や勤務時間、勤務地などを自由に選べるものの、常に希望する仕事があるとは限らないのがデメリットと言えます。

シニア派遣が増えてはいても、依然として派遣社員の募集年齢は20代から40代が中心となっており、60代、70代の募集はまだ少ないのが現状です。
そんな中で、契約期間が終了後に次の仕事がすぐに決まらない場合は、一時的に収入が途絶えてしまいます。

また、派遣社員として働く場合の給料は殆どが時給制となっており、お正月やゴールデンウィークなど、休日の多い月は、手取り収入も減少します。

派遣社員には定年というものはありませんが、会社側の業績悪化や倒産危機、その他の状況変化により、突然契約が打ち切られるということはあります。

このように、仕事や収入が不安定であるというのが、派遣社員で働く場合の大きなデメリットと言えます。

シニア派遣で働く場合、主に次のような手順で仕事をスタートします。

①派遣会社に登録をする
登録方法には、実際に派遣会社に出向く来社登録と、ネットを利用するオンライン登録とがあります。
来社登録の場合は、あらかじめ登録に必要な書類などを電話で確認した上で持参します。
オンライン登録の場合は、登録画面に沿って必要事項を入力します。

②担当者と面談
専任の担当者が付き、派遣についての説明や登録の意思確認などが行われます。
ここで、希望する職種や勤務時間、勤務地などを明確に伝えます。（書類に記入する場合もあります。）

③仕事紹介
希望にマッチした仕事があれば、すぐに紹介してもらえますが、ない場合は見つかり次第、担当者より電話やメールで連絡が来ます。

④仕事決定
条件に合う仕事が見つかったら、担当者と一緒に就業先での面談が行われますが、問題がなければ雇用契約を結びます。

⑤仕事スタート
就業先での仕事がスタートしますが、その後も派遣会社の担当者からは、仕事に関するさまざまなアドバイスを受けたり、困ったことがある場合は相談をすることができます。

シニア派遣に力を入れている主な派遣会社には、次のようなところがあります。